News Release

ウイルスの大発生がいつピークを迎えるか予想する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

エンテロウイルスに関する長期データを用いて、様々な系統およびタイプのウイルスの伝播動態を正確に予想できるモデルが作成された。この結果は、理想的な時にワクチン接種プログラムを行い、これらのプログラムの有効性を最大化するために活用できる。100種類を超える血清型のエンテロウイルスがヒトに感染し、髄膜炎、脳炎、麻痺、上気道感染症、手足口病(HFMD)などのさまざまな疾患を引き起こしうる。今回、Margarita Pons-SalortとNicholas Grasslyは、さまざまなエンテロウイルスの系統とタイプに関する詳細なデータのある数少ない国の1つである日本で2000~2015年に収集されたエンテロウイルスに関する長期調査データを解析した。例えば、Coxsackievirusの株が、2000年から2004年までの1年サイクルから、2004年以降は2年サイクルに変わったなどのパターンが観察された。Pons-SalortとGrasslyは、このパターンは、近年日本で生じている出生率の全般的低下に起因するのではないかと考えている。Pons-SalortとGrasslyはデータを用いて、20個のウイルスのうち18個の伝播動態を高い精度で反映する単一のモデルを作成した。関連したPerspectiveで、Birgit NikolayとSimon Cauchemezは、「この解析は、流布している他の血清型による交叉防御を考慮することなく、特定のエンテロウイルス血清型の大発生を予測することが可能であることを示している。このモデルは将来、次のエンテロウイルスの大発生がいつ起きうるか、どの程度の規模になるか、どの血清型が原因となるかを予測するために利用できるだろう」と記載している。

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