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プリオン病の血液検査は輸血用血液をさらに安全にできる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

血液検査で、まれなタイプのプリオン病の患者計32例を正確に診断できたことが、2件の新しい研究で報告された。これは輸血用血液のプリオン汚染を予防する有益なツールとなる可能性がある。またこの方法によって、疾患の何らかの徴候を示す前に、前駆症状状態のドナー2例の血液中の異常なプリオンタンパク質が良好に検出されたことから、この方法はプリオン病やタンパク質のミスフォールディングが関与している他の疾患の非侵襲的な早期診断スクリーニングへの道を拓くと考えられる。プリオン病は、感染性プリオン(有毒な凝集塊を形成し脳を損傷する変形したタンパク質)を原因とする一連の致死的な神経変性疾患である。異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)は、ウシ海綿状脳症に感染した肉を食べることで生じるプリオン病の一種であり、一般に狂牛病として知られている。感染者は何十年もvCJDの症状を示さない場合があるため、この疾患を決定的に診断する方法は脳の死後検査しかない。さらに、サイレントキャリアは輸血によって疾患を伝染させる可能性があり、特に2000人に1人が無症候性のvCJDの保因者である英国などの国では、血液バンクの重要な公衆衛生問題となっている。

この問題に取り組むため、Luis Concha-Marambioらは増幅技術を用いた血液検査を開発し、vCJD患者14名と対照者153名の血中の異常なプリオンタンパク質を検出した。Daisy Bougardらは、vCJD患者18名とvCJDではない人238名の血液検体を用いて同様な技術を試験した。開発中の他の血液検査(感度は約70%であり、欧州委員会の指示で求められている90%という数値には及ばない)とは異なり、双方の研究で使用されたこのアッセイは、感度100%特異度100%でこの疾患を診断できた。さらにBougardらは、症状発現の1年以上前に2名の血液ドナーから少量のプリオンを検出することができた。研究者らは、この診断スクリーニングの有望な結果は、多数の血液検体で確認する必要があると述べている。

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