News Release

4つの成分を一挙に連結する手法 触媒の使い分けで有機分子の反応を制御可能に!

Succeeded in developing method of the consecutive formation of bonds of 4 components

Peer-Reviewed Publication

Osaka University

Fig. 1

image: Possible products in the multicomponent reaction of butadiene view more 

Credit: Osaka University

大阪大学大学院工学研究科の神戸宣明教授、岩﨑孝紀助教らの研究グループは、安価なニッケル触媒を用いた二つのブタジエン、アルキル基※6 、ベンゼン環※7 を一挙に連結する手法を開発しました。 複数の有機分子を一挙につなげる多成分反応※8 は、反応を繰り返して分子を一つ一つつなげる手法に比べて効率・経済性に優れた手法ですが、連結される分子の数や連結する位置を上手く制御しなければならず、その方法は限られていました。 本研究では、触媒として安価なニッケルを用いてブタジエンを2分子つなぐことにより、炭素8つからなる炭素骨格を作り、さらにアルキル基を内部炭素に導入するとともにベンゼン環も導入する合成手法を初めて開発しました。この手法により、安価なブタジエンを原料に高付加価値な末端オレフィン類を合成することができます。 タイヤやゴムホース等合成ゴムの原料やブタンジオール、クロロプレン等の工業的に重要な化合物の原料など幅広い分野で利用されているブタジエンから、触媒を使い分けることにより、様々な有機分子を作り分けることに成功した本成果は、様々な有機材料の合成手法の開拓につながると期待されます。また、ブタジエンはエタノールから合成することが可能であり、近年注目を集めているバイオエタノールなどの高付加価値化合物を、触媒の使い分けにより異なる化合物へと自在に変換する可能性を示すものです。 本研究成果は、平成28年3月3日(木)(ドイツ時間)にドイツ化学会誌『Angewandte Chemie International Edition』の速報版としてジャーナルHPに公開されました。また、論文誌の表紙に研究成果が取り上げられました。

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