News Release

古代ローマのコンクリートは噴火可能性に緊張が高まっているイタリアの地域の地下にある抵抗性の岩石に似ている

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

このニュースリリースには、英語で提供されています。

イタリアのナポリ近郊にあるカンピ・フレグレイ(Campi Flegrei)と呼ばれるカルデラが、他のカルデラと比較して噴火せずに隆起に耐えられるのはどのような仕組みによるものか。新しい研究により、この特定のカルデラの下にある帽岩が古代ローマのコンクリートに非常に似ていること、そして並外れて高いその強度はこの帽岩の微細構造によるものであることが示された。この微細構造は繊維状鉱物が絡み合っているのが特徴である。今回の研究結果により、このカルデラが、ポッツォーリの町をわずか2年で約2メートルも隆起させ、約40,000人もの人々を避難させることになった1982年から始まった大規模な隆起イベントのような激しい変動に耐え、噴火を生じさせなかった仕組みが説明できる。(カンピ・フレグレイでの噴火のない隆起イベントの多くはイエローストーンとロングバレーで観測された隆起イベントの3~6倍の大きさであったという。)Tiziana VanorioとWaruntorn Kanitpanyacharoenはポッツォーリの隆起イベントの直前にカンピ・フレグレイから採取された2つの堆積物コアを詳しく調査し、そこに帽岩の石基と密に絡み合った繊維状鉱物の存在を発見した。この分析により、このカルデラの下にある約3キロメートル(1.9マイル)の基盤岩が二酸化炭素を放出し、隆起の際にそれが海水、石灰、カンピ・フレグレイの火山噴出物であるポゾランといったその他の鉱物と反応することが示された。一連のこの化学反応によって帽岩内に、古代ローマでセメントに混ぜて使っていたのと同じ破壊に耐えられる延性物質ができたとVanorioとKanitpanyacharoenは述べている。この研究結果は、古代ローマ人はその伝統的なコンクリートを作る際に自然の作用を模倣しようとしていた可能性を示している。

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Article #20: "Rock physics of fibrous rocks akin to Roman concrete explains uplifts at Campi Flegrei caldera," by T. Vanorio; W. Kanitpanyacharoen at Stanford University in Stanford, CA; W. Kanitpanyacharoen at Chulalongkorn University in Bangkok, Thailand.


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