季節ごとの大きな気温変動に耐えるように適応している脊椎動物は分布する標高域も広い傾向にあるという説があるが新たな研究で分析された16,500以上の陸生脊椎動物では、このパターンは日々の大きな気温変動に適応している種では逆で、むしろ狭い標高域に分布することが示された。季節を通じて起こる日々の気温変動に注目したこの知見は、動物ごとに異なる進化の歴史がいかに気候の変化と関連するかという、今日の生物学上の鍵となっている問題を推測するのに役立つ。気候変動説によると、体感する季節の気温変動が大きい種ほど生理的柔軟性が高く、それゆえにより広い標高域で発見される傾向にある。しかし、種が生息する標高域とその大きさに関する日々の気温変動の影響についてはほぼ注目されて来なかった。そこでWei-Ping Chanらは、標高の異なる180ヵ所に生息する16,592種の脊椎動物のデータベースを用いて、そのデータを日々の気温変動といった9つの変数を持つモデルにインプットした。結果を分析したところ、適応している季節ごとの気温変動が大きいほど、分布する標高域も実際に広いという相関関係が確認された。またその一方で、日々の大きな気温変動へ適応している種ではその反対のパターンが見られ、標高域の分布の狭さと関連していた。(狭い標高域に生息する)スペシャリスト種は日々の気温変動に強く、万能種では気候変動が主となる季節変動を好むことがわかった。気候変動性と種の分布域の関係を前提とした新たなこれらの研究結果は、気候変動に対する生物反応を理解する上でヒントになる。そして今後の気候変動予測は長期的に「気温スペシャリスト(気温への依存度が高い)」である種にとって良い兆候ではない。関係するPerspectiveではTimothy M. Perezらが温度スペシャリスト種が直面すると考えられる問題について議論し、予想される季節の気温変動の長期的な拡大に、夜の短縮対日中の気温上昇による日々の気温変動の減少が相まって、これらの種は不利になるであろうと述べている。
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