News Release

遺伝子データからネイティブアメリカンの祖先がどのようにアメリカに移住したのかがわかる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Diversification within the Americas

image: Fig 4. Diversification within the Americas, based on the research by Raghavan et al. is shown. view more 

Credit: [Credit: Raghavan et al., <em>Science</em> (2015)]

このニュースリリースには、英語で提供されています。

古代人と現代人の遺伝子データにより、現代のネイティブアメリカンの祖先がいつどのようにアメリカに移住したのかについて、現時点で最も明瞭な見解が得られた。この見解は、一部の人が考えていたように複数の時期ではなく、一時期に移住が行われたことを示唆している。いつどのようにして初めてアメリカに人が住むようになったのかを解明することは課題であった。現代のネイティブアメリカンの祖先が、ベーリング陸橋を渡ったシベリア人の系統を引いていることは一般的に受け入れられているが、その正確な時期と移住の仕方についてはまだ議論が行われている。ネイティブアメリカンの先祖がいつシベリアを去ったのか、アメリカに単一の時期に来たのか、複数の時期に(複数の時期の場合は遺伝的多様性の源となる)来たのか、そして、到着するまでにどの程度の期間、ベーリング海峡の地域で隔離されて過ごしていたのかが議論されており、あるモデルでは15,000年間とされている。

これらの疑問の解明に役立てるため、Maanasa Raghavanらは、アメリカ、シベリア、オセアニアの古代人と現代人のゲノムの配列決定を行い比較した。既に発表されている欧州とアフリカのゲノムデータセットも導入したさまざまな解析結果から、ネイティブアメリカンの祖先は、23,000年前以降(苛酷な厳寒の最終氷期極大期)に、ベーリング海峡地域での8,000年間より短い隔離の後、シベリアからアメリカに移住したと推定された。アメリカへの多数の時期の移住のエビデンスは認められず、そうではなく単一の時期であったことが示された(つまり、ネイティブアメリカン集団の現代の遺伝的差異は、複数の様々な時期の移住によって生じたのではなく、移住後のイベントにより生じたのである)。この結果は、ネイティブアメリカンには共通のシベリア人ソース集団があることも示唆している。さらに、Raghavanらのデータから、13,000年ほど前、氷河融解および北米の内陸への経路の開通と同時に、ネイティブアメリカンの祖先が2つの系統に分かれたことが示唆された。この2つの分岐が、現在認められているさまざまなネイティブアメリカン集団のもととなった。

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Article #20: "Genomic evidence for the Pleistocene and Recent population history of Native Americans," by M. Raghavan at Natural History Museum of Denmark in Copenhagen, Denmark, and colleagues. For a complete list of authors, see the manuscript.

Note: This paper will be available for free when the embargo lifts at http://www.sciencemag.org.


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