News Release

雷雲の遥か上空で稲妻からエネルギーを得るガンマ線フラッシュおよび紫外線「エルブス」

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

国際宇宙ステーション搭載装置を使用して、研究者らは激しい雷雨によって生成されたガンマ線のミリ秒パルスを観測した。これらの放射が生成される物理過程が明らかにされ、「エルブ」(単数の場合の呼び方)として知られている紫外線放射が生成され得ることが発見された。激しい雷雨から地球ガンマ線フラッシュ(TGF)が生成される物理過程について議論されてきたが、今回の結果はこの物理過程を解明するのに役立つ。多くの人々は、雷雲の下方の空を引き裂く稲妻という明るい電気の雷をよく知っているが、地球高層大気の遥か上空の雷雲の上方で他の種類の発光現象も発生することが知られている。エルブス(複数の場合の呼び方)はこのような現象の1種であり、雷雲より上の電離圏における紫外放射および可視放射の膨張波である。下方にある嵐における雷放電から放出される電磁パルスによって発生するが、この発生過程については未だ疑問が解決されていないままである。また、現場における問題として、激しい雷雲によってどのようにしてTGFが発生するかがある。Torsten Neubertらは、国際宇宙ステーションの外部に搭載された観測装置ASIM(Atmosphere-Space Interactions Monitor)を使用して、TGFおよび付随するエルブを観測した。ASIMのデータによって、可視光線、紫外線、X線およびガンマ線の帯域における現象の高速度観測が得られ、TGFが生成された一連の事象をNeubertらは明らかにすることができた。雷雲内の稲妻の直前に生成された高電場によって今回のTGFが生成されることがNeubertらの結果から示されており、稲妻先端の発生から数秒後にTGFが発生しており、この点はTGF発生にとって重要であった。その後の稲妻の閃光から電磁波が放出され、それによってエルブが生成されて雷雲の上方で見られた。このシナリオはエルブ生成のための必須条件を示している可能性があると今回の論文の著者らは述べている。

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