News Release

有望なHIVワクチンに交差保護効果の徴候が示された

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

A Promising HIV Vaccine Shows Signs of Cross-Protective Benefits (2 of 2)

video: The journey towards an effective HIV vaccine. This material relates to a paper that appeared in the Sep. 18, 2019, issue of Science Translational Medicine, published by AAAS. The paper, by G.E. Gray at University of the Witwatersrand in Johannesburg; South Africa; and colleagues was titled, "Immune correlates of the Thai RV144 HIV vaccine regimen in South Africa." view more 

Credit: Credit: ©South African Medical Research Council, Produced by JP Crouch for Blue Pear Visuals

これまでに最も成功したHIVワクチン候補の一つは、タイで最初に試みられてほどほどの効果が示されたが、異なるHIV株が循環していることが知られている南アフリカのコホートで評価されたところ、驚くほど強力な効果が認められた。この研究は、RV144ワクチンを用いたレジメンが、遺伝子の多様性のためにワクチン戦略にとって課題となっている複数のHIV株に対して保護効果を示し得ることを示唆している。科学者たちは、長期にわたり保護効果が持続するHIVワクチンの開発を試みてきたが、ほとんどのワクチン候補は、早期の臨床試験において実質的な効果を示すことができなかった。RV144ワクチンは、タイで実施された臨床試験において、クレードBのHIVに対してほどほどの保護効果を示した。しかしRV144ワクチンが、別のHIVクレードが優勢な南アフリカなどの地域に住む人々に対して効果をもたらし得るかどうかは明らかでない。このことを調べるため、Glenda Grayらは、RV144を用いた研究の免疫学的データを、第1b相試験においてRV144ワクチンを接種されたHIV陰性の南アフリカ人100例の解析データと比較した。その結果、驚いたことに、RV144ワクチンを用いたレジメンにより、南アフリカではむしろより強力な免疫応答が促進され、同時に忍容性も良好であったことが分かった。具体的には、RV144ワクチンにより、HIVに対する保護作用と関連するCD4陽性T細胞と抗HIV抗体の反応が、性別、年齢、あるいは場所にかかわらずに誘発された。著者らはまた、両方の研究において免疫応答が経時的に減弱したことも認め、このことから、RV144ワクチンの効果を維持するために追加のブースター接種が有用となり得ることが示唆される。RV144ワクチンがHIV感染に対する保護作用をもたらすかどうかを明らかにするにはさらなる研究が必要であるが、今回の研究結果からRV144ワクチンは、これまで考えられていたよりも、流行地域を通じてより適用可能である可能性が示唆される。

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