米国国立衛生研究所（NIH）のプレシジョンメディシン・イニシアティブ（PMI）が始まって1年経っても、この巨大なプロジェクトはやはりヒト疾患の動物モデルによる実験研究を組み込むことで恩恵を被っていると、Kent LloydらはこのEditorialで述べている。PMIは個別化医療という新しい時代を促進することを目的としている。個別化医療では、個人の遺伝プロファイルを、個人の環境曝露および行動と組み合わせて用いることで、治療のより効果的な標的化が可能になる。これまでに動物モデルから大量の遺伝的および分子的データが蓄積されており、これらのデータのキュレーション、統合およびマッピングを行う手段とともに、PMIに携わる研究者たちにとって有用であることが明らかになるであろう、とLloydらは述べている。動物モデルは、環境曝露の影響について、あるいはヒト疾患に関連して遺伝子変異が及ぼす広範な影響について、理解を深めるうえでまたとない機会を提供すると、彼らは示唆している。
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Journal
Science Translational Medicine