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局所投与された化合物により気道狭窄の長期軽快が得られる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らにより、喘息のマウスモデルにおいて気道に長時間持続する弛緩をもたらし、気道過敏性を予防する化合物が同定された。これにより、多くの呼吸障害に対する新たな治療標的への道が開かれる可能性がある。喘息や肺気腫、およびその他の閉塞性肺疾患を有する患者は、狭窄した気道の平滑筋を弛緩させるために併用療法を必要とすることが多い。さらに、現行の治療は部分的な軽快しかもたらさないが、これはG蛋白共役受容体(GPCR)と呼ばれる蛋白質ファミリーに属する複数のメンバーが、慢性の気道過敏性に寄与するためである。幾つかの気道GPCRが、Gqと呼ばれる特定の1つのG蛋白質に結合することが知られており、今回Michaela Mattheyらは、Gqの阻害により気道狭窄に対する長時間の保護作用が得られることを実証した。FRと呼ばれるGq阻害物質が、マウス、ブタ、およびヒト気道の外植片で狭窄を緩和することが示された。重要なこととして、この化合物は吸入エアロゾルとしても送達が可能で、1回の吸入による効果はマウスモデルにおいて24時間以上にわたり持続し、血圧や心拍数には影響はなかった。喘息の異なる2つのマウスモデルにおいて、FRはアレルゲンに対する気道過敏性を予防し、心血管系の副作用は発生しなかった。喘息のマウスモデルではFRの吸入により炎症に変化はなかったが、喘息において生じる気道リモデリングの一部の症状を抑制した。著者らは、より大型の動物モデルを用いたさらなる研究により、FRが閉塞性肺疾患に対する有望な気道弛緩剤であることをさらに確認できるであろう、と述べている。著者らは、他の器官に対して、また長期使用時におけるFRのさらに長期の効果を検討するために、今後の研究が必要であるとも述べている。

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