American Association for the Advancement of Science (AAAS)
新しい研究の報告によると、電波を使って木星の厚い雲の中を見ることに成功し、この巨大ガス惑星の大気に関する洞察が得られたという。電波を使ったこれまでの木星研究では、特定緯度における特徴の分析に限られていたが、今回の新しい観測によって、雲の下の活動について広範にわたる包括的な見解が得られた。こうした詳細なデータを得るために、Imke de Paterらは最近改良されたカール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)を使って、木星大気の電波の周波数範囲を調べた。その結果、数多くのホットスポットが明らかになった。ホットスポットとは、雲や凝縮性ガス(特に不透明なアンモニアの渦)がない、「乾燥」した領域のことである。VLAの新しいデータを分析したところ、アンモニアが集中する領域は、木星の雲が形成される領域の最下部まで続いていることが示唆された。立ちのぼるアンモニアのプルームは、大気深部の動きを反映して大きく波打っている。著者らによると、このプルーム内のアンモニアガスは高高度になるほど凝縮するという。これにより、1990年代に探査機ガリレオが発見したアンモニアの氷でできた雲についても説明がつく。これらの研究結果は、巨大ガス惑星の大気の解明に役立つとともに、2016年7月に木星到着予定の探査機ジュノーにとっても重要な情報となるだろう。
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