News Release

フッ化物イオン電池:次世代エネルギー貯蔵

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

フッ化物ベースの電池(FIB)に関する技術の現行の温度限界を克服し、フッ化物イオンベースのセルの室温における動作を実証することによって、研究者たちがエネルギー貯蔵に対して急速に増大している我々のニーズを満足することが可能な高エネルギー密度電池の開発に新たな扉を開いたと新たな研究で報告されている。リチウムイオン反応またはニッケルイオン反応に基づくものなど、他の種類の有望な高エネルギー電池の電気化学反応では、概して電解液の固有な性質によって制限を受けているが、FIBによって、これらに代わる魅力的な代替案が提供される。フッ素の原子量が小さいため、この元素をベースとした充電式電池によって、リチウムイオン技術に関する理論値の少なくとも8倍という非常に高いエネルギー密度の得られる可能性がある。しかしながら、FIBは「次世代」高エネルギー貯蔵装置の有力候補であると注目される一方で、それらに要求される温度要件によって制約を受けている。現在までのところ、フッ化物イオン導電性固体電解質だけが知られており、その結果、現行の電池技術の繰り返しでは、溶融塩電解液を利用するために、150℃超の高温で動作させる必要がある。今回の論文の著者らによると、この電解質におけるこれらの制約は、低温で動作するFIBを達成することにおいて重大な課題であった。今回の論文では、Victoria Davisらが室温で動作可能なフッ化物イオン電気化学セルの製造方法について報告しており、高いイオン伝導度および広い動作電圧範囲を有する化学的に安定なフッ化物イオン導電性液体電解質によって可能となった飛躍的進歩である。Davisらはフッ素化エーテル有機溶媒に溶かされたフッ化テトラアルキルアンモニウム乾燥塩を使用して、電解質を開発した。銅、ランタンおよびフッ素のコアシェルナノ構造のある複合陰極との組み合わせにより、室温において可逆な電気化学的サイクルが実証された。

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