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地球深部のダイヤモンドによって地球マントルの深くにある原始の岩石供給源が明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究において、地下数百キロメートルで生成した超深部起源ダイヤモンド内に閉じ込められたヘリウム同位体を調べたところ、地球そのものと同じぐらい古いと思われる、高密度で融けた原始岩石供給源の広大な貯留層が存在することが示唆された。その研究結果によると、ヘリウムを含有するダイヤモンドには、地球のリソスフェア(岩石圏)の下におけるヘリウム同位体組成の変動について、最も初期の最も直接的な記録が含まれているという。かつてマントルの深くにあったマグマから生成された火山岩の同位体組成を調べれば、地球内部の化学貯留層についてきわめて重要な情報が得られる。そのなかでもヘリウム同位体は、地球マントルの最も深くて最も古い部分の性質を理解するうえで最適な道具のひとつであり、上部マントルの下の領域に、原始の岩石物質の貯留層が手つかずのまま存在する可能性が示唆されてきた。しかし、長い地球の歴史を通じて古代の岩石物質の貯留層が保存されているということに対しては、地球深部の動力学が破壊的であることと、地表に噴出した玄武岩の中に、上部マントルの下から発した同位体シグナルの起源を正確に特定するのが難しいことから、たびたび疑問が呈されてきた。Suzette Timmermanらは、ブラジルの地下深くにおいて生成した、超深部起源ダイヤモンドという一連のダイヤモンドを見つけた。このダイヤモンドがマントル遷移層(深さ410~660キロメートル)で生成したときに、ヘリウムなどの元素が鉱物内の小さな流体包有物に閉じ込められる。Timmermanらが閉じ込められた元素の同位体を測定したところ、同位体の変動は非常に大きいが、3He/4He率が高いことを見いだした。この結果は、深部に原始のヘリウム供給源が存在し、ときにそれが遷移層に入り込んで、上から沈み込む物質と混ざり合うことにより、多様な同位体組成が玄武岩に記録されることを示している。

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