News Release

ウェアラブルなソフトロボット外骨格スーツにより歩行・走行時の代謝率が低減

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らは、ロボットショーツのように着用すると、着用者にとって歩行と走行の両方を可能に、また容易にすることのできるソフトロボット外骨格スーツを開発した。この自己完結型のポータブルデバイスの重量はわずか5キログラムで、着用者の足取りを検出して適切な補助を行う。その結果、このデバイスは歩行および走行における代謝コストをそれぞれ9.3%および4.0%減らすことができる。この減少幅は運動能力にとって意味のある改善であることが示されている。歩行と走行の生体力学は基本的に異なっているものの、自然なヒトの身体はこれら2つの間で迅速に切り替えを行うことができるため、両者のあいだでほぼシームレスに移行できる。しかし、これらのダイナミックな動きが大きくなると、歩行と走行という異なる動きの両方に対して有益な支援を行えるロボット支援デバイスの開発は困難であることが分かっている。このため、研究者らは通常、歩行か走行のいずれかを増強することに焦点を当ててきた。ロボット外骨格は、着用者の動きを機械的に増強するもので、歩行における代謝コストの率を正常な生物学的レベル以下に減らすことがこれまでに示されている。しかし、走行を補助するようデザインされた同様のデバイスは成功しておらず、多くの場合にかえって代謝コストが増加してしまった。これまでの研究を受けてJinsoo Kimらは、1本のウエストベルトと2つの太ももラップから成る機能的ロボット外骨格スーツを開発し、これにより歩行と走行の両方で、様々な速度と平坦でない地面において代謝コストを減らせることを実証した。さらに、このデバイスでは歩行と走行の切り替えが自動的に行われ、着用者の自然な動きに適合できる。著者らによれば、実験で認められた代謝コストの減少は、着用者の体重から約5.7~7.4キログラムを減らした場合に相当するという。関連するPerspectiveでJosé Ponsは、Kimらがもたらしたような進歩が、いかに将来的に神経学的にコントロール可能な植込み型の補助ロボットへの途を開くものであるかについて論じている。

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