News Release

改良型リチウム‐空気電池

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

物質のめずらしい組み合わせによって、発展途上のリチウム‐空気電池が現在かかえる多くの障害が克服された。リチウム‐空気電池を使えば、電気自動車はガソリン自動車並みに走行距離を伸ばすことが可能で、非常に重い電池パックも必要なくなるが、大きな問題点がいくつかあるため、実際には、この電池モデルの可能性を活かせていなかった。この電池は、金属リチウムの負極と、非水電解質と、正極とが一体になって働く構造になっている。構造によっては、放電中に過酸化リチウムが生成されることにより、電解質が腐食して電池全体の効率が低下するという、好ましくない副反応に直面する。さらに、このモデルから放電された粒子によって、受け取り側の電極の小さな孔が詰まることもある。こうした問題を回避するために、Tao Liuらは水酸化リチウムの生成を避ける電池を設計した。鍵となったのはヨウ化リチウムを加えることであり、そうすると電池内にできる有害な物質が減る。2番目の重要な違いは、マクロ多孔質の還元型酸化グラフェン(rGO)を受け取り側の電極に使用したことである。これは穴が大きいので、放出された結晶がたくさん集まっても大丈夫である。彼らの電池は典型的なリチウム‐空気電池とは違って、水にも強い。こうした改良によって、リチウム‐空気電池の効率は向上し、繰り返し再充電もできるようになり、商業的に成り立つ電池の開発が加速されるだろう。

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Article #9: "Cycling Li-O2 batteries via LiOH formation and decomposition," by T. Liu; M. Leskes; W. Yu; A.J. Moore; L. Zhou; P.M. Bayley; G. Kim; C.P. Grey at University of Cambridge in Cambridge, UK; M. Leskes at Weizmann Institute of Science in Rehovot, Israel; W. Yu at Central South University in Changsha, China.


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