News Release

よいインフルエンザワクチンを作るため、体がどのようにして免疫を構築するのかを理解する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

今回、新しい研究のおかげで、インフルエンザワクチン接種に対するヒト免疫系の応答の詳細な状況がわかった。効率の良い免疫化を行うには防御免疫の細胞基盤の理解が重要であるため、この知見は良好なワクチンの開発に役立つとのことである。インフルエンザワクチン接種は、人々が季節性インフルエンザにかからないよう予防するための最も有効な戦略として確立されているが、免疫系がどのようにしてウイルスをかわし体を守るのかに関する詳細の多くは依然として謎である。今回、Marios Koutsakosらは、様々なタイプの免疫細胞がどのようにしてワクチンに反応するのかを綿密に検討した。Koutsakosらは、免疫化後3年間の複数の時点で健康成人35例の血液検体を解析し、対応する年のインフルエンザ予防接種の特定の成分と戦うようプログラムされた抗体産生B細胞が、ワクチン接種1週間後から顕著に増加することに気づいた。循環濾胞性ヘルパーT細胞(cTfh)と呼ばれる別のグループの細胞にも同様なパターンがみられた。これは、長期間持続する免疫記憶を作り出すこれらの細胞の能力に関して新しい見識を提供している。ワクチン接種前に、試験参加者の血液中に既存の抗インフルエンザ抗体が存在すると、B細胞応答が低下した。1年後、インフルエンザ特異的B細胞は血中に検出されなかった。このため、Koutsakosらは、死亡した臓器ドナーの組織を解析することとした(肺、扁桃、脾臓、リンパ節のメモリーB細胞を追跡できる)。Koutsakosらは、インフルエンザ特異的B細胞の別の組織への移動が、理想的な接種経路に関して意味を持つ可能性があり、鼻腔内ワクチン接種が注射よりも有効である可能性があると推測している。

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