News Release

陸域の貯水が海面上昇を相殺しているらしい

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Land Reservoirs Helped Offset Sea Level Rise, Study Says (1 of 2)

image: An artist's depiction of the NASA GRACE satellites and the Earth's gravity field. This material relates to a paper that appeared in the Feb. 12, 2016 issue of <i>Science</i>, published by AAAS. The paper, by J.T. Reager at Jet Propulsion Laboratory in Pasadena, CA, and colleagues was titled, "A decade of sea level rise slowed by climate-driven hydrology." view more 

Credit: NASA/JPL

新しい研究によると、余剰地下水の貯水量が最近増加した結果、海面上昇が15%も相殺された可能性があるという。陸域の貯水能力が海面上昇に重要な影響を及ぼすことは知られているが、どの程度貢献しているかは十分に解明されていない。陸地はさまざまな方法で水を貯めており、人為的変化のなかにはこの過程に影響を及ぼすものもある。たとえば、地下水採取、灌漑、貯水池への貯水、湿地の排水、森林伐採などは直接的な影響を及ぼす。ここ数年における陸域の貯水能力の変化について洞察を深めるため、John Reagerらは2002~2014年の衛星データを分析した。このデータは、重力の変化、つまりその根底にある貯水量の変化を測定したものである。この衛星データと氷河質量損失の推定値とを組み合わせて、陸域貯水量が海面変動にどのような影響を及ぼしてきたかを調べた。分析の結果、この期間は気候変動によって陸域貯水量が約3,200ギガトン増加したことが示唆された。この増加によって、氷床や氷河や地下水採取に起因する水損失が一部相殺され、海面上昇の速度が年間0.71�0.20ミリメートル遅くなったという。陸域貯水量の増加のうち、人間の活動(おもに貯水池への貯水)に直接起因するものはごく一部であり、著者らは気候が重要な推進力だと述べている。陸域貯水量の大きな変化は、気候変動による局地的な降水量の変化と関係していたという。

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