News Release

男女平等と経済発展によって選好の男女差は大きくなる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

女性が男性と平等の機会を得て、女性の有する資源が多くなるほど、女性の選好は男性とは違ってくるということが、80近い国々の調査デーを基にした新しい研究によって示唆された。この成果は、経済発展と男女平等に関する男女差のパターンについて、対立する2つの仮説のうち一方を裏付けるものである。つまり、根本的選好(時間、リスク、社会的交流に関する選好)における男女差は、男女平等と経済発展が進んでいる集団ほど大きくなるという。この研究結果は、特に職業、投資、進路決定に関して、世界中の国や文化によってばらつきがあるだけでなく、男女間で選択や結果が異なることに対する重要な説明となる。選好における男女差の起源や、それが男女間の社会的・経済的格差に及ぼす影響は長年関心を集めてきたが、何が原因かはよくわかっていない。対立する主要な2つの仮説のうち、一方では、選好における男女差は男女平等主義が進んだ先進国ほど小さくなるとされており、もう一方では、そういう環境では男女ともに資源が十分に利用できるので「本来もっている選好を自由に発展させて表現できるため」、男女差が大きくなるとされている。今回の研究では、Armin FalkとJohannes Hermleが「Global Preference Survey(世界選好調査)」から世界76ヵ国8万人のデータを利用し、経済発展と男女平等との関連で選好の男女差を評価した。このデータセットは2012年の「Gallup World Poll(ギャラップ世界世論調査)」の一環として収集されたものであり、6つの基本的な選好(積極的なリスク負担、辛抱強さ、利他性、正と負の互恵性、信頼)を評価した結果が含まれている。FalkとHermleは選好データを国レベルで比較するとともに、GDPや男女不平等の度合といった変数とどのような関係があるかを調べた。著者らの研究結果は、男女差は経済発展や男女平等が進むほど顕著になることを示すものだった。これは、男女ともに物的・社会的資源を入手し利用できる機会が多いほど、選好の男女差が大きくなることを示唆している。著者らによると、男女平等が進んだ先進国で選好に大きな差が見られるのは、女性が自己実現する力をつけたことや、社会的影響に対する女性の抵抗力が強くなったことが背景にあると考えられるという。国別の選好データは、プレスパッケージのページにあるExcelファイルから入手可能である。

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