おもに酸素からなる大気をもつ白色矮星が発見された。この種の白色矮星が存在するという説は以前からあったが、これまで確認されたことはなかった。この発見は、単一の恒星進化論を唱える教科書の知識を覆しうるとともに、過去10年間に発見された数種の超新星との重要な関連性を示しうるものである。比較的小さな恒星(質量が太陽の10分の1未満の恒星)は終末期をむかえると、外層を脱ぎ捨てて、非常に高密度の白色矮星になる。こうした高密度下では高重力になるので、水素やヘリウムといった軽い元素は恒星の表面に浮上し、重い元素は沈降する。Souza Oliveira Keplerらが「スローン・デジタル・スカイサーベイ(Sloan Digital Sky Survey:SDSS)」のデータを徹底的に調べたところ、軽い元素の外層をはぎ取られ、ほぼ酸素だけの層がむき出しになったSDSS J124043.01+671034という白色矮星を確認した。白色矮星の外層がはぎ取られる可能性を予測した理論はいくつか存在したが、SDSS J124043.01+671034が確認されたことで、この現象が初めて証明された。一つの可能性としては、連星をなす近傍の伴星と相互作用を起こして、SDSS J124043.01+671034の酸素の層がむき出しになったことが考えられる。また別の可能性としては、恒星中心部で発生した炭素燃焼による巨大パルスが、外に向かって放出され、軽い元素を吹き飛ばしたとも考えられる。Perspectiveでは、Boris G�nsickeがさらなる詳細を述べている。
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