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不安定な染色体は腫瘍に対する免疫反応を阻害する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究の報告によると、免疫療法に腫瘍がどの程度反応するかは1つには腫瘍細胞の染色体に異常がないかどうか、つまり、混乱状態にあるかどうかによるという。この研究結果はどの癌患者に免疫療法が有効かを医師がより正しく判断する際に役立つと考えられる。がん免疫療法は持続的な臨床反応を起こすことが可能であるが、それは一部の患者に限られる。他の患者に比べて特定の患者で効果が高い理由は解明されていない。多数の腫瘍には染色体と染色体セグメントの数に異常が見られるという「異数性」という特徴がある。異数性が高いということは腫瘍の悪性度が高いということであり、予後不良も伴う。Teresa Davoliらは今回、がんゲノムアトラス(TCGA)計画において12種類の癌の腫瘍サンプル5000以上のデータを調査した。その結果、異数性の高い腫瘍ではDNA複製、細胞周期、有糸分裂、染色体維持に関わる遺伝子の発現が増え、逆に腫瘍破壊に関わる浸潤免疫細胞に特有の遺伝子の発現が減ることを発見した。臨床試験データのレトロスペクティブ分析では、異数性の高い腫瘍のあるメラノーマ患者は腫瘍の染色体の崩壊が少ない患者よりも免疫チェックポイント阻害療法の効果が出にくいことが分かった。これらの研究結果についてPerspectiveでMaurizio Zanettiが取り上げている。

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