image: A diver's view of turn-around operations on a blustery day at Martha's Vineyard Coastal Observatory (MVCO), as study co-author Rob Olson reaches to recover a float. The near-continuous multiyear time series required for this study demanded field activities in all seasons off the coast of Massachusetts. Automated operation of FlowCytobot (FCB) at MVCO allowed the authors to collect data even during extreme conditions, when traditional boat-based sampling would have been unsafe. (Boat operator, Matt Gould at left.) view more
Credit: Sean Whelan, Woods Hole Oceanographic Institution
春に発生するプランクトンの増殖のほとんどは温度上昇が引き起こす細胞分裂の増加に起因していることが、研究によって新たに解明された。地球上のほぼ全ての生命が光合成の副産物の恩恵を受けており、このうち約半分が海洋性植物プランクトンによって生成されている。そのため、生物地球化学的循環が気候変動に対してどのように変化するのかを予測するためには植物プランクトンの増殖の本質を理解することが重要となる。しかし数十年に及ぶ研究にもかかわらず、植物性プランクトンの増殖を引き起こす主要因は未だ解明されていない。今回Kristen Hunter-Ceveraと共同研究者らは、海洋中に沈めた装置を用いて一般的なプランクトンの一種であるSynechococcusの細胞分裂の速度を監視し、取得したデータを解析した。この装置によって、米国北東部ケープコッド沖においてほぼ13年分の連続データの取得に成功した。得られたデータから、温度と細胞分裂の速度には直接的な相関関係があることが判明した。4月の平均気温が1℃上昇する毎に春季のプランクトンの増殖が４〜5日分前進するのである。著者らは植物プランクトンの消失速度も計算し、分裂速度と非常に類似したパターンを辿っていることを突き止めた。これは、ウイルスや捕食者といった生物的要因もプランクトンの過剰繁殖を消費しようと待ち構えていることを意味している。これらの知見について、Alexandra WordenとSusanne Wilken がPerspectiveで詳しく説明している。
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