News Release

個々の難民が仕事でもっとも成功しやすい場所はどこか?

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Where Are Individual Refugees Most Likely to Succeed Professionally? (1 of 1)

image: A GIF describing the algorithm developed by Bansak <i>et al</i>. This material relates to a paper that appeared in the 19 January 2018 issue of <i>Science</i>, published by AAAS. The paper, by K. Bansak at Stanford University in Stanford, CA, and colleagues was titled, "Improving refugee integration through data-driven algorithmic assignment." view more 

Credit: Carla Schaffer, AAAS

機械学習アルゴリズムを用いれば、現行の方法よりも難民の就職率が大幅に改善し、新天地になじみやすくなって移行が容易になるという。難民は戦争と数年間の避難生活を経験した後に、財産をほとんど持たずに新しい国に到着し、不慣れな社会に順応しなければならない。難民が直面する数ある課題のなかでも、たいていの難民が経験するのは入国後数年間の就職率の低さである。就職率の向上を目指してKirk Bansakらが開発したアルゴリズムでは、教師あり機械学習と最適マッチングとを組み合わせ、個人の技能を考慮したうえで、難民と最適な職場とを結び付けた。例えば、フランス語を話せる難民は、ドイツ語圏よりもフランス語圏に移住したほうがより多くの利益を得られる。このアルゴリズムは、難民の背景(出身国、語学力、性別、年齢など)や、入国時期、割り当てられた場所、就職の成功の度合いなどを記録した、履歴データを使って学習を行う。Bansakらはアルゴリズムの性能を試験するために、難民の割り当て制度も難民数も異なる2つの国(米国とスイス)の履歴簿から、最近のデータを利用した。アルゴリズムを用いると、米国では現行の割り当てに比べて就職率が41%上がり、スイスでは現状よりも就職率が71%上がる可能性があることがわかった。著者らによると、このように就職率が上がっても、受け入れ国の政府にはほとんど負担がかからないという。この研究結果は、難民の社会統合を現状よりも改善するための実用的手段を、各政府に提供するものである。

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