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初期哺乳類の化石からよく動く舌の進化の起源が判明

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、噛み砕いた食べ物を飲み込んだり、赤ちゃんのようにミルクを飲んだりすることを可能にしている非常によく動く私たち哺乳類の舌は、最古の哺乳形類という私たちの祖先の一部に進化の起源があると考えられるという。その研究では、新たに発見された1億6,500万年前の哺乳形類種に現代の哺乳類のような極めて複雑な舌骨が発見された。爬虫類や両生類の一気に大量に飲み込むような大きな口や非筋肉の喉とは異なり、哺乳類の喉には複雑な舌骨がある。それは小さいが重要な骨で、噛み砕いた食べ物を飲み込んだり、ミルクのような液体を飲んだりするのに必要な舌の器用な動きや喉の複雑な動きを可能にしている。ただ、食べ物や液体の高度な飲み込み方が現代の哺乳類の特性ではあるものの、それらを実現している舌骨舌構造の進化の起源はほぼ分かっていない。哺乳形類の系統樹の初期の枝にある梁歯目は、哺乳形類の特徴の初期の分岐や進化を解明する上で重要である。Chang-Fu Zhouらは中国でジュラ紀の梁歯目の化石を新たに発見したことを報告している。この化石には、並外れて保存状態が良く、ほぼ損傷のない舌骨装置が含まれており、それらは複雑で現代の哺乳類のものと非常によく似ていた。Zhouらはこれまでの記録にはないMicrodocodon gracilisの化石の哺乳類に似た形態を基にして、他の複数の初期哺乳形類も複雑な舌骨構造を確認することができた。その結果によると、哺乳類のような鞍形の複雑な舌骨が発達したのは下顎骨から中耳が分かれる前だという。これは初期に分岐していった哺乳形類の重要な進化段階である。また、Microdocodonは梁歯目系統群中の基部種であることから、複雑な舌骨舌構造は哺乳類以前からあった可能性があると述べている。関係するPerspectiveではSimone HoffmanとDavid Krauseが今回の研究について詳しく述べている。

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