News Release

結腸癌に関係する細菌コンビ

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

結腸癌リスクを高めると考えられる細菌の組み合わせが明らかになった。マウスを用いた一連の実験で、2種の細菌が炎症を促進し結腸の粘液層を破壊する方法が正確に示された。今回、Christine M. Dejeaらは、家族性大腸腺腫症(FAP)と呼ばれる、結腸の前癌性ポリープの発生リスクが高い遺伝状態の患者の組織検体を解析した。散発性ポリープを有する患者の検体とは異なり、FAP検体には大腸菌とバクテロイデス・フラジリス(ETBF)が特に多い細菌パッチが含まれており、このことはFAP患者の検体の大規模なデータセットでも確認された。興味深いことに、大腸菌とETBFはそれぞれ、DNA損傷増加と腫瘍形成に関わる遺伝子を持っている。Dejeaらがこれらの細菌をFAP患者からマウスに移植したところ、片方の種のみを移植したマウスには腫瘍がほとんど発生しなかったが、両方の種の細菌がコロニー形成したマウスには、侵襲性癌と死亡が顕著に生じやすかった。Dejeaらは一連の実験で、ETBFが粘液を枯渇させて炎症反応を誘導することで腸の微小環境を変化させており、これによって大腸菌も腸でコロニー形成しやすくなっていることを明らかにした。これらの結果に基づき、Dejeaらは、人生の早い時期にFAP患者の粘液層からこれらの細菌を排除することが有益な可能性があることを示唆している。

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