News Release

強誘電体のペロブスカイトは有機栽培?

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

技術者らにより23の新規の全有機ペロブスカイト(灰チタン石)が開発され、その一つは、広く利用されている無機ペロブスカイト強誘電体であるBaTiO3(BTO)に匹敵する非常に強力な強誘電体特性を有していることが、新たな研究により報告された。この新しい種類の無金属強誘電体ペロブスカイトの発見、そしてそれらが毒性を持たず機械的な柔軟性を有することは、次世代の柔軟で柔らかいロボットおよび生物医学デバイスにとって大きな可能性をもたらす。BTOのような無機ペロブスカイトはこれまで様々に応用利用されており、コンデンサーやセンサーからデジタルデータの保存や表示にわたっている。このような幅広い応用利用にもかかわらず、多くの場合その製造が困難かつ高価であり、含有される重金属が毒性を有することから環境上の重大な懸念をもたらす。こうした事情のため、有機ベースの強誘電体は物質科学や技術応用にとって有望な代替物質となる。エネルギー効率が高く、経済的に安価で環境にやさしい物質が必要とされていることを受け、Heng-Yun Yeらは分子デザイン戦略の利用および幅広い有機カチオンの選択に基づき、新しい種類の無金属の強誘電体ペロブスカイトを、様々なハロゲン元素および有機分子の組み合わせを用いてデザインした。この試みにより、高性能の有機強誘電体ペロブスカイトが可能であることが示された。Yeらが合成した23の物質のうちの一つであるMDABCO-NH4I3は、高い自発分極能と並んでBTOと同等の強誘電体特性を示したことで高い有望性を証明した。 また著者らによれば、 強誘電体特性のほかにも、有機ペロブスカイトは室温で合成でき、他の特性について最適化できる可能性があるほか、他の有機分子と合成することもできる可能性があるという。関連するPerspectiveでWei LiとLi-jun Jiはこう述べている:「これらの素晴らしい無金属化合物は、対称性と水素結合を併せ持つことで、ペロブスカイトと強誘電体という二つの領域を、二つとも新たな領域へと拡大するものである」。

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