News Release

チクングニアウイルスを標的とした2つの自己免疫治療薬リパーパシング

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Repurposing Two Autoimmune Drugs for Chikungunya Virus

image: This is an infographic describing the disease burden of Chikungunya virus. view more 

Credit: [Credit: Carla Schaffer / Miner <i>et al. </i>and Teo <i>et al.</i> / <i>Science Translational Medicine</i>]

2つの新たな研究が、治療法が知られていない新興疾患であるチクングニアウイルス感染により引き起こされる消耗性の関節痛に軽減をもたらし得る戦略を探索している。チクングニアウイルス感染は蚊が媒介する疾患で、南北アメリカ大陸全体に急速に拡散し、2013年にカリブ海沿岸で地域伝播の発生が初めて発見されて以来、170万人以上の疑い症例が存在する。これに対する治療レジメンとして、他の適応で既に臨床使用に承認されている薬物が用いられ、いずれもウイルスに感染したマウスにおいて関節腫脹を軽減しており、非常に必要とされている治療選択肢への道を開く可能性がある。2つの研究の著者らはどちらも、T細胞が不適切に関節へ輸送されて、急性チクングニアウイルス感染の特徴である関節炎を引き起こすことを阻止し得る方法を、この感染のマウスモデルを用いて見いだした。Teck-Hui Teoらは、感染マウスに多発性硬化症の治療薬であるフィンゴリモド(T細胞がリンパ節から出ることを妨げる)投与したところ、関節炎症が軽減した。この結果をさらに裏付けるため、Jonathan Minerらは、関節リウマチの治療薬であるアバタセプト(リンパ節におけるT細胞活性を抑制する)により感染マウスの関節で炎症が抑制され、チクングニアウイルスを標的とする抗体と併用すると関節炎が完全に消失したことを見出した。Philippe GasqueとMarie Christine Jaffar-BandjeeによるFocusでは、こうした種類のT細胞阻害のアプローチが、感染患者で初期感染が解消した数ヵ月後に持続的にみられることのある慢性関節炎にも効果があるかどうかを明らかにするために、さらなる研究が必要であると主張している。

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