横浜国立大学先端科学高等研究院の陳オリビア特任助教、大学院工学研究院/先端科学高等研究院の吉川信行教授らは、新型超伝導回路を用いた大規模集積回路設計に向けた自動設計フレームワークを世界で初めて開発し、その超高計算効率性のシステムレベルでの検証に成功しました。新型超伝導回路では、量子磁束パラメトロンと呼ばれる回路を断熱的に動作させることで、その消費電力を極限まで下げることを可能としました。今回の研究では、断熱的量子磁束パラメトロン(AQFP)を用いてマイクロプロセッサと深層学習加速器に関する合計18個の回路を自動化設計ツールで実装し、回路遅延と消費エネルギーによる回路の計算効率の評価を行いました。この計算効率は従来の半導体集積回路に比べて最大で約10万倍高く、超伝導回路を冷却するために必要な電力を見込んでも大規模計算システムの計算効率を従来の約千倍以上に向上することが可能となります。今回の研究は、新型超伝導回路のシステム化及び実用化への貢献が期待されます。
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本研究成果は、Scientific Reports誌に7月19日に掲載されました。また、本研究は、米国IARPA SuperToolsプロジェクト の助成を受けたものです。
Journal
Scientific Reports