横浜国立大学大学院環境情報研究院の本田 清教授と星野雄二郎特別研究教員および田中健太博士らの研究グループは、新規チオキサンチリウム光増感剤の分子設計と合成法を確立し、緑色光照射下光増感レドックス触媒反応によって薬化学や材料化学において重要な複素環化合物であるクロマンの選択的合成に成功しました。これまでに知られている代表的な緑色光増感剤では反応が進行しない一方、今回の研究で開発したチオキサンチリウム触媒では、わずか0.01当量の触媒量を用いて室温3時間程度で目的のクロマンを高収率で与えました。チオキサンチリウム触媒の高い励起還元電位がこの反応を可能にしたと考えられ、今後様々な有機合成反応への応用が期待されます。
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本研究成果は2019年7月19日、アメリカ化学会が発行する「The Journal of Organic Chemistry」にオンライン掲載されました。