News Release

特集号 ―― 「複合素材」

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

今週のScienceの特集「複合材料」では、3本のReviewが、著しく異なる物理的・化学的性質をもつ2つ以上の材料からできた材料「複合材料」について、現在の用途や制約、将来の可能性を概観している。複合材料は自動車製造から電子機器まで産業の幅広い場面で使用されているが、耐用年数後に個々の構成材料を取り出してリサイクルするのが難しいという、重大な環境問題を抱えている。1つ目のReviewでは、Amar Mohantyらがこの問題を取り上げ、生物由来材料やリサイクル材料や廃棄材料からできた複合材料への関心が高まっていることを論じている。以前から、生分解性の複合材料は主に持続可能な包装としての用途が期待されてきた。将来的には、埋立地に行く予定だったリサイクルプラスチック材料の行き先を変えて複合材料に取り入れることによって、豊富でない材料への依存を減らすことができ、地球の持続可能性に向けた取り組みに役立つと、著者らは述べている。既存のものに代わる持続可能な複合材料の進歩において、材料科学者は重要な役割を果たすだろう。2つ目のReviewでは、Michaela Ederらが生物に着想を得た工学的手法(わずか数種の基幹物質を組み立てて大きく多様な構造にする手法)を用いて、不必要な化学的多様性をもたないが故に容易にリサイクルできる材料を作る可能性について取り上げている。最後のReviewでは、Ian Kinlochらがカーボンナノチューブとグラフェン添加剤の複合材料に注目している。この複合材料はナノテクノロジー用途のなかでも特に期待できると長年考えられてきたが、課題が残っていた。彼らは、実際に役立つナノチューブとグラフェンの複合材料を生み出すような、異なる手法をいくつか紹介している。

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