News Release

感染7日前の投与でエボラウイルスからの保護を示すワクチン

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

このニュースリリースには、英語で提供されています。

最近のエボラ出血熱のアウトブレイクを経験するなかで、良いニュースがいくつか入ってきている。ヒト以外の霊長類における(以前はrVSV/ZEBOV-GPとして知られる)VSV- EBOVワクチンの有効性に関する非臨床研究では、感染7日前のワクチン投与により完全な保護が、3日前の投与により部分的な保護が得られた。この研究の肯定的な結果は、エボラウイルスに対する免疫応答を開始させる有効な方法を明らかにしているが、これは現在のアウトブレイクを最小限に抑えるための重大な効果を有している可能性がある。Andrea Marziらの研究では、エボラのマコナ(Makona、訳注:今回のアウトブレイクの原因ウイルス)株に感染させる28日、21日、14日、7日、または3日前に、マカクのそれぞれの群にVSV-EBOVが投与された。ワクチン接種後有害作用はみられなかった。マカクは致死量のエボラウイルス投与後42日間観察された。有効ではないことが知られているワクチンが投与された対照群では、エボラの重度の症状が認められ、安楽死させなければならなかった。感染3日前にVSV-EBOVワクチンが投与されたマカク群の1頭も生存できなかったが、同群のほかの2頭はエボラの軽~中等度の症状を示したものの最終的にはウイルスが排除された。残りの、28日、21日、14日、および7日前のワクチン投与群のマカク9頭は疾患の臨床的徴候がなにも現れなかった。これまでの複数の研究から、エボラに対する免疫グロブリンG(IgG)抗体の存在は、生存と関連していた。感染の時点で、28日、21日、14日前投与群では、これらのエボラ特異的抗体が高い値で認められた。3日および7日前投与群は、感染時はエボラ特異的抗体を有していなかったが、3日前投与群のマカクは、エボラ感染から6日後に、測定可能なエボラ特異的IgG抗体を有していた。したがって、研究者らが示唆するところによれば、VSV-EBOVワクチンは強力な自然免疫応答を誘発しており、この免疫応答が、体内でエボラ特異的抗体が産生される重大な時期に、ウイルスの複製を制限する助けとなるのである。

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Note: This paper will be available for free when the embargo lifts at http://www.sciencemag.org.

Article #16: "VSV-EBOV rapidly protects macaques against infection with the 2014/15 Ebola virus outbreak strain," by A. Marzi; S.J. Robertson; E. Haddock; F. Feldmann; P.W. Hanley; D.P. Scott; S.M. Best; H. Feldmann at National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health in Hamilton, MT; J.E. Strong; G. Kobinger at Public Health Agency of Canada in Winnipeg, MB, Canada.


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