image: Infographic explaining how different types of inflammation are related to obesity and non-alcoholic fatty liver disease; Figure 7C, Biopsy samples from non-alcoholic fatty liver disease patients showing immune cell infiltration (arrows). view more
Credit: [Credit: Carla Schaffer / K.M. Hart et al. / AAAS]
2型炎症はおなかにはいいが肝臓には悪いかつて肥満を予防すると考えられていた炎症反応は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を悪化させうる。このため、新しい知見から、メタボリックシンドロームの標的治療の一部を再評価する必要があることが示唆された。NAFLDは先進国でもっともよくみられるタイプの進行性肝疾患であり、肝移植が2番目に多く適用されている。さらに、NAFLDに関連した直接的な医学的費用は米国で毎年合計1030億ドルにも達する。NAFLDと共に生きる米国の6400万人の人々を治療するために承認された薬剤はない。肥満とNAFLDと炎症は密接に関係しているため、現在行われている取り組みでは、罹患した人の免疫応答を変えるようデザインされた介入法の開発が試みられている。複数のタイプの炎症が存在し、1型は肥満におけるインスリン耐性に関連している。2型は(体を寄生虫から保護することに加えて)脂肪組織の健康な代謝シグナル伝達を維持すると考えられている。今回、Kevin Hartらは、予期せぬ発見をした。マウスの1型炎症の遺伝的素因が、高脂肪食を摂取した後のNAFLDによる肝線維症を予防したのである。また、驚くべきことに、Hartらは、NAFLDから重度の肝線維症になった患者56例の生検検体において2型炎症のエビデンスを発見した。TGF- β阻害と呼ばれる抗炎症療法は、高脂肪食を与えたマウスのNAFLD関連線維症のマーカーを低下させたが、肝臓の2型炎症は増加させた。Hartらは、肝臓の2型炎症の徴候を、NAFLD進行を予測する臨床指標として利用できると述べている。
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Journal
Science Translational Medicine