News Release

マラリアワクチン試験の血液試料で防御を達成するための免疫の基準が明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Gemma Moncunillらが、マラリアワクチンに関する2件の独立した臨床試験で得られた血液試料の検討により、小児と成人における免疫系のシグネチャーとワクチンによる良好な疾患防御を関連付けた。MoncunillらによるRTS,Sワクチンとスポロゾイト免疫化に関する解析で、今後の研究でマラリアワクチン候補の有効性評価のために利用できる一般化可能な基準が示された。マラリアは依然として世界中の大きな健康上の負担となっており、2018年の症例は2億1800万件と推定されている。RTS,Sワクチンは、臨床試験に進んでいる唯一のワクチン候補であるが、中等度の防御しか得られないことが示されている。研究者らは別の戦略も試験している。戦略の1つである弱毒化マラリア原虫と予防的薬剤投与の併用(CPS免疫化)は、成人を対象とした実験的試験で100%の有効性を示した。しかしながら、マラリアワクチンの初開発は、免疫機構に関する知識が限られていること、ならびにワクチン有効性を予測できる免疫代用物がないことにより、大きく妨げられている。Moncunillらは、免疫細胞の転写産物解析およびシステム生物学テクニックを用いて、CPS免疫化を受けた成人ボランティア24名とRTS,Sワクチンの第3相試験に参加したアフリカの小児255名の血液試料を検討し、いくつかの驚くべき発見をした。たとえば、RTS,Sワクチンを受けた小児は非防御的ワクチンを受けた小児と比較して遺伝子発現がほとんど変化していなかった。しかし、研究チームは試験における防御反応に関連した一連の遺伝子を明らかにし、受容体TLR4とタンパク質NF-κBが共に重要な役割を果たしていることを示した。一部の人には、防御に関連した免疫化前シグネチャーも認められた。この知見は、ワクチン接種前の免疫刺激やその他の介入法が有効な非反応者を識別する際に役立つ可能性がある。

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