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電気スプレーを使ってより優れた脱塩メンブレンが可能に

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

塩水を真水に代えるメンブレンにはこの30年間でほとんど変化がなかったが、ついに研究者らはこのようなメンブレンの新たな作成方法を考え出した。市販の塩水淡水化装置は、多孔性ポリアミドフィルムの極薄層を利用した薄フィルム複合材料膜を使用している。孔の大きさは水が通過するには十分であるが、塩水中のイオン化塩は通ることができない。このようなフィルムは、複合材料膜の表面上で水相中のアミンと油相中の塩酸化物を化学反応させて作成される。しかし、この方法でできるのは100~200ナノメーターの厚さの比較的薄く不均一なポリアミドフィルムで、メンブレンとして十分な脱塩効率が得られない。このような行程上の問題があるにもかかわらず、この方法が数十年にわたって製造業界の標準であった。今回Maqsud Chowdhuryらは、ポリアミド作成の方法に新たな進歩をもたらした。これは、分子を一層ずつ積層するmolecular layer-by-layer技術を用いて、極薄フィルムの厚さとテクスチャの両方の調節をより容易にするというものである。著者らによれば、他の研究者らが同様のアプローチを開発していたが、このアプローチには複雑な方法が伴うため商業生産用のスケールアップが困難である。これに対してChowdhuryらは、電気スプレー技術を利用した。この方法では、高電圧でナノスケールのモノマー小滴を基材上にきめ細かく噴霧することで、それらが結合して基材上にポリアミドフィルムが形成される。電気スプレー技術により、4ナノメーターという薄いフィルムが作成でき、表面の不均一性も大幅に改善された。さらにその上、実験結果から、現在用いられている逆浸透膜メンブレンよりも優れた脱塩効率が得られることが示された。

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