News Release

イヌイットの高脂肪食への適応は遺伝子の組み合わせで説明できる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Ilulissat, Greenland

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Credit: [Credit: Photo by Malik Milfeldt]

このニュースリリースには、英語で提供されています。

イヌイットは、過酷な気候下に住むため、他のほとんどの民族集団と比べてタンパク質と脂肪をはるかに多く含む食事を摂っている。今回、イヌイットの遺伝子構成の解析により、この集団がどのようにして環境に適応してきたかが明らかになった。生理学的性質の中で、脂肪代謝、身長、体重、コレステロールの制御に関わる多数の遺伝子が、おそらく選択圧によって、イヌイット集団をタンパク質と脂肪(特にω-3ポリ不飽和脂肪酸)を多く含む食事で生きられるようにしたことが判明したのである。Matteo Fumagalliらは、イヌイット集団の遺伝子構成に関する更なる洞察を得るため、ヨーロッパ系の先祖を持つ割合が5%未満のグリーンランドのイヌイット191名のDNAを解析し、結果をヨーロッパ系および漢民族系の人と比較した。研究チームは、ω6およびω3脂肪酸を不飽和度の高い長い脂肪に変換することを制御している遺伝子など、多数の興味深い遺伝子を同定した。さらなる解析により、これらの遺伝子の選択が、イヌイット集団がネイティブアメリカンから分岐する前に開始されたことが明らかになった。このとき、彼らの共通の祖先はベーリング海峡(ネイティブアメリカンの祖先がアジアから北米に渡るために利用した陸の「橋」)周辺に住んでいた。解析で目立った他の遺伝子としては、高脂肪の摂取に伴う酸化ストレスを防御する遺伝子、心筋症に関連する遺伝子、高脂肪食とそれに関連したインスリン抵抗性による肥満に対抗してエネルギー消費を増やす遺伝子、肥満細胞の分化を制御する遺伝子などがあった。まとめると、この研究は、イヌイットが、蛋白質と脂肪に富む非常に特別な食事を食べて生き延びるための遺伝的多様性を備えていることを示唆している。Sarah TishkoffのPerspectiveで、本報告を補足する。

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Note: This paper will be available for free when the embargo lifts at http://www.sciencemag.org.

Article #17: "Greenlandic Inuit show genetic signatures of diet and climate adaptation," by M. Fumagalli; P. Gerbault at University College London in London, UK; M. Fumagalli; F. Racimo; R. Nielsen at University of California, Berkeley in Berkeley, CA; I. Moltke; N. Grarup; L. Skotte; A. Linneberg; T. J�rgensen; O. Pedersen; T. Hansen; A. Albrechtsen at University of Copenhagen in Copenhagen, Denmark. For a complete list of authors, see the manuscript.


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