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集水域の地質が淡水植物群落を仕切っている

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

水生植物の重炭酸塩の使用を初めて世界規模で評価した新しい研究によると、淡水植物群が光合成のために二酸化炭素を使うか重炭酸塩を使うかは、植物が生育する地域の重炭酸塩濃度に大きく関係しているという。土地利用の変化と人間の活動が重炭酸塩の大幅な増加を引き起こしており、こういった現象は淡水生態系の生物多様性に多大な影響を与えるだろうと著者らは述べている。多数の淡水の水生植物は陸生植物とは違い、光合成のために二酸化炭素に加えて重炭酸塩を使用する能力を進化させて、水中の溶存二酸化炭素の濃度の低さを補い、その枯渇の可能性にも備えている。ただ、重炭酸塩を使用するという形質は大多数の分類群にわたって様々な種が持っているとは言うものの、どの淡水植物にもあるわけではない。Lars Iversenらは所定の淡水生態系における重炭酸塩濃度 ―― 集水域の地球科学に大きく左右される ―― と重炭酸塩使用の形質を持つ淡水植物の分布の関連を調査した。彼らは重炭酸塩使用の植物と二酸化炭素使用の植物の分布について詳細な世界地図を作製し、それと重炭酸塩を示す地質図を組み合わせた。その結果、世界における二酸化炭素使用植物と重炭酸塩使用植物の割合は地域の地質における重炭酸塩濃度に大きく関係していることが示された。Iversenらは、淡水植物の機能的構成は集水域の地質と使用可能な二酸化炭素と重炭酸塩の相対濃度によって組まれることを明らかにした。これは、陸上の植物群落のそれとは大きな違いで、気温や降水量の変動に大きく左右される。

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