【発表のポイント】
ラン科植物の花は「唇弁」や「ずい柱」など特徴的な花器官を有している。これらの花器官形成は興味深いテーマだが、非モデル植物であるため分子機構を明らかにするのは困難であった。
本研究ではラン科植物サギソウの緑花変異品種'緑星'を用いて、様々な花器官形成遺伝子の構造と発現を解析することにより、原因遺伝子を特定することに成功した。
本研究成果により、ラン科植物の緑花品種の開発などに繋がると期待される。
【概要】
東北大学大学院生命科学研究科大学院生の三苫舞、同大学大学院生命科学研究科の菅野明准教授は、ラン科植物サギソウの緑花変異品種'緑星'を用い、この緑花変異が花器官形成遺伝子の一つEクラス遺伝子1)の機能欠損によって引き起こされることを明らかにし、またEクラス遺伝子がラン科植物特有の花器官である「ずい柱」の形成に重要であることを明らかにしました。本研究はラン科植物の花器官形成機構の解明に繋がるとともに、緑花品種の作出に向けた分子育種への応用が期待されます。本成果は、6月19日スイス科学雑誌Frontiers in Plant Science電子版に掲載されました。
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Journal
Frontiers in Plant Science