News Release

DNDiとエーザイ、真菌性菌腫の治療薬創出に向けた共同開発契約を締結

世界で最も顧みられない病気の一つである感染症の研

Business Announcement

Drugs for Neglected Diseases Initiative

Mycetoma: Hope for a Devastating Neglected Disease

video: Mycetoma is a chronic, destructive morbid inflammatory disease particularly endemic in Sudan as well as in regional neighbors Chad, Niger, Nigeria, Ethiopia, Somalia, parts of Saudi Arabia and Yemen. For many years, the available treatments for mycetoma have only been 25-27 percent effective. However there is hope as DNDi and Japanese pharmaceutical company Eisai Co. Ltd. proceed with the clinical development of Eisai’s anti-fungal drug fosravuconazole for the potential new treatment of eumycetoma, a fungal form of mycetoma. A study will be conducted at the Mycetoma Research Centre to determine the safety and efficacy of the drug. view more 

Credit: DNDi & Mycetoma Research Centre

このニュースリリースには、英語で提供されています。

[ジュネーブ、スイス/東京―2015年9月10日] Drugs for Neglected Diseases initiative (DNDi) (本部:スイス、ジュネーブ、最高責任者:ベルナール・ペクール(Bernard P�coul)医師)とエーザイ株式会社 (本社:東京都、代表執行役CEO: 内藤晴夫、以下 エーザイ)は、このたび、エーザイが創製した抗真菌剤ホスラブコナゾールについて、世界で最も顧みられない病気の一つであるマイセトーマ(菌腫)の中で、特にアンメット・メディカル・ニーズの高い真菌性菌腫(eumycetoma)に対する新規治療薬として共同開発を行う契約を締結しました。

真菌性菌腫は、アフリカ大陸などの熱帯および亜熱帯地域に多く見られる感染症で、中でもスーダンでは特に広く蔓延しています。明確な感染経路は解明されていませんが、一般的には汚染された植物のとげの上などを裸足で歩くことにより真菌が皮膚から体内に侵入して感染すると考えられています。主な症状は手足に現れる巨大な腫瘍で、症状が進行すると歩行や労働が困難になり、蔓延地域において貧困、偏見などの社会問題や経済的損失を引き起こす要因となっています。

現在使用されている真菌性菌腫の治療薬は高価である上、毒性が強く、また12カ月の投与で患者様の約30%しか治癒しないといった課題があります。治癒しない場合、感染が全身に広がり、繰り返し切断手術が必要となるリスクもあり、新たな治療薬の開発が求められています。

ホスラブコナゾールは、エーザイが創製したアゾール系抗真菌剤で、非臨床研究において真菌性菌腫に対する強い抗真菌作用を示すことが確認されています1。今回の契約締結により、DNDi はホスラブコナゾールの真菌性菌腫の患者様を対象とした臨床開発を主導し、その有効性および安全性を検証します。一方、エーザイはDNDi に対し、本剤に関する科学的専門知識ならびに治験用製剤を提供します。また、エーザイはDNDi の事業化パートナーとして、本剤の製造、承認申請・登録、および公的機関を通じた蔓延地域における適正価格での提供に関するオプション権を有しています。

「ホスラブコナゾールの真菌性菌腫に対する可能性にとても期待しています」と、DNDiのメディカル・ディレクターであるナタリー・ストラブウォルガフト(Nathalie Strub-Wourgaft)博士は述べています。「真菌性菌腫はこれまでほとんど顧みられることがなく、治療薬の研究開発も行われて来ませんでした。」

真菌性菌腫を含むマイセトーマに関する伝播、有病率、感染経路、および感受性などについての情報は世界的に著しく不足しています。世界保健機関(WHO)の定める顧みられない熱帯病リストにおいても、2013年に初めて『その他の顧みられない状況にある病気』として挙げられたに過ぎず、いまだ充分な調査や研究が行われていません。

エーザイ株式会社チーフイノベーションオフィサーの大和隆志は、「マイセトーマは、開発途上国の若年層の貧困者や労働者に最も多く見られ、グローバル・ヘルス上の深刻な課題です。当社は、ヒューマン・ヘルスケア(hhc)の企業理念に基づき、真菌性菌腫の新規治療薬開発に取り組み、蔓延地域の患者様の健康と生活の向上に貢献してまいります」と述べています。

本剤については、今後中等度の真菌性菌腫症例を対象とした無作為化比較臨床試験において、既存薬と比較した有効性の検証が行われます。本試験は2016 年からDNDi およびスーダンのハルツーム大学菌腫研究センター(MRC)により開始される予定です。

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<本件に関する報道関係お問い合わせ先>

特定非営利活動法人DNDi Japan 担当:松本 眞理 Tel:03-4550-1195 Email: mmatsumoto@dndi.org

エーザイ株式会社 PR 部 Tel:03-3817-5120 FAX: 03-3811-3077

DNDi について

Drugs for Neglected Diseases initiative (DNDi)は非営利研究開発組織で、特にリーシュマニア症、アフリカ睡眠病、シャーガス病、マラリア、特定のフィラリア感染症、および小児HIV 等の顧みられない病気のための新しい治療薬・治療法の開発に取り組んでいます。2003 年の設立以来、2 種類の固定用量抗マラリア薬(ASAQ、ASMQ)、後期アフリカ睡眠病のためのニフルチモックスとエフロルニチンの併用療法(NECT)、アフリカにおける内臓リーシュマニア症 のためのスチボグルコン酸ナトリウムとパロモマイシン(SSG&PM)の併用療法、アジアにおける内臓リーシュマニア症のための一連の併用療法、 シャーガス病のためのベンズニダゾールの小児用製剤という6 種類の新しい治療法を提供してきました。また当団体は、地域疾病に特化したプラットフォームを確立し、これにより疾病流行国に対して既存の臨床研究能力を強化し必要に応じて新たな能力を構築できるようパートナーと協力しています。当団体は2003 年に、国境なき医師団/Medecins Sans Frontieres(MSF)、ケニア中央医学研究所(KEMRI)、インド医学研究評議会(ICMR)、ブラジルのオズワルド・クルス財団(Farmanguinhos 社)、マレーシア保健省、フランスのパスツール研究所によって設立され、世界保健機関(WHO) の熱帯病医学特別研究訓練プログラム(TDR) が常任オブザーバーを務めています。http://www.dndi.org

エーザイ株式会社について

エーザイ株式会社は、本社を日本に置く研究開発型グローバル製薬企業です。患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、世界で1 万人を超える社員が「がん」「神経領域」を含むアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。当社はグローバル製薬企業として世界の患者様へ貢献することを使命としており、開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。エーザイ株式会社の詳細情報は、http://www.eisai.co.jp をご覧ください。

ビデオへのリンク

1. PLoS 顧みられない熱帯病 2014 年6 月19 日 8 巻6 号: e2942. doi: 10.1371/journal.pntd.0002942. eCollection 2014.


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