News Release

尾の進化:海から陸へ

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

海から初期の脊椎動物が出現したとき、その尾は陸上での移動を助ける重要な役割を果たしていたと考えられることが新しい研究で報告された。動物とロボットモデルおよび数理解析に基づいたその研究結果から、地球に生息する陸生生物の起源の解明に手掛かりが得られると思われる。約3億8,500万~3億6,000万年前まで生物は初め深い海に生息しており、その後、初期の四肢動物が陸上に上がって来た。しかし水に適応していたこれらの動物は、陸上を移動する独自の方法を見つけ出さなければならかった。しかも陸上での移動は、海岸の砂粒や岸の傾斜といった海辺の特徴もあることからも、困難なことであった。Benjamin McInroeらはこういった初期の生物の移動についてさらなるヒントを得るために、ヒレを使って陸を移動し、時には尾を使って飛び跳ねる現代の魚、トビハゼの動きを研究し、平地では横方向への移動において尾を使うメリットが最も小さいことを突き止めた。しかし川の土手のように傾斜がきつくなると、トビハゼが前進する際には尾が非常に重要になってくる。たとえば、平地では尾を使うことで使わないときに比べて推進力は6%増すだけであるが、10°の傾斜ではさらに36%、20°の傾斜では55%推進力が増す。McInroeらはまた、トビハゼと初期の四肢動物の様々な動きを真似るロボットを作製し、陸上で前進する際のヒレと尾の動きをさらに詳しく知るために、肢を操作した。平地ではヒレを体の方に動かす角度が鍵となっており、傾斜のきつい斜面ではトビハゼと同じように尾が横方向への移動の最も重要な要因となっていたとMcInroeらは述べている。また、尾は体を固定させるためにも有用で、そのおかげでロボットは斜面を滑り落ちることがなかった。PerspectiveではJohn Nyakaturaが今回の研究についてより詳しく述べている。

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