News Release

ゲノム探索により抗菌薬耐性細菌の拡散を追跡する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Genome Sleuthing Tracks the Spread of Antibiotic-Resistant Bacteria

image: Map showing the prevalence of MRSA cases identified in the East of England during a one-year period. view more 

Credit: F. Coll <i>et al., Science Translational Medicine</i> (2017)

研究者らは英国のイースト・オブ・イングランド地域において、1年間にわたりメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の拡散を追跡し、臨床的に認識されないエピソードによりMRSAが市中伝播するというエビデンスを見出した。ほとんどのMRSA症例は単一病棟で獲得された院内感染の大型アウトブレイクに由来する、という仮定に反してFrancesc Collらは、医療システム内を移動しながらMRSAを拡散させる特定の個人を中心とした伝播パターンを見出した。驚くことに、厳密に院内獲得型であると通常考えられているMRSA株が、市中の一般集団内でも拡散していたという所見も得られた。著者らは1年間にわたり、3つの病院と75の一般診療所から通常の診断検査室で処理されたサンプルによりMRSA陽性が認められた1,465人を前向きに同定して、MRSAの伝播について前例のない詳細さでマッピングを行った。さらに、2,282のMRSA分離株のゲノムについて配列決定を行って、極めて近縁のMRSAの異なる173のクラスターを同定し、次いで疫学データ(入院、病棟の移動、居住地域など)を適用して症例間の関係を調べた。これらのサンプルには、英国において極めて一般的なMRSA株以外に、台湾や米国の流行株系列が含まれており、この観察結果から著者らは、この所見が英国だけでなく世界中の他の地域にも適用できると述べている。

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