News Release

垣間見られたブラックホールの周りの磁場

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

連星系にあるブラックホールの周りのガスに突然発生したフレアおよび冷却によって、この連星系の磁場を測定する絶好の機会が天文学者らに提供され、その磁場が予想より弱いことが発見された。近傍の恒星から剥ぎ取られた物質を飲み込むブラックホールを観測することによって、このような連星系では、物質が降着円盤に寄せ集められていることが明らかにされている。この降着円盤の上には降着円盤コロナ(ADC)があり、この降着円盤の磁場によってADCの挙動が影響を受けている。ADC 内の磁場によってブラックホールの周りのガスの流れが影響を受けているので、ADC 内の磁場を理解することが重要であるが、現在までのところ、観測事例は非常に少ない。天文学者らが2015年6月15日、はくちょう座V404星と呼ばれる連星系に突然発生したフレアを検出しており、この連星系にはブラックホールが存在している。電波望遠鏡、赤外線望遠鏡、光学望遠鏡およびX線望遠鏡がすぐさま稼働されて、2週間にわたる再増光(アウトバースト)におけるデータが収集された。Yigit Dallilar らは、ADCが冷却されて、この連星系の電磁放射が突然低下する瞬間を調査しており、はくちょう座V404星の磁場を測定することが可能になって、この磁場が予想よりかなり弱いことを発見した。物質がどのようにブラックに吸い込まれるかに関するモデルを制約することに、この事象から得られた正確な磁場の測定が役立つであろうと今回の論文の著者らは述べている。

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