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CRISPR応答性ヒドロゲル系、知的生体材料にプログラム可能な方法を提供

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

DNA生体分子が注入されたヒドロゲルは生体情報を材料特性の物理的および化学的変化に変換するために、CRISPR ―― 生物におけるゲノム編集に広く関連する技術 ―― を用いてプログラムして正確に制御できると研究者らは報告している。本研究により、ユーザーが定義したDNA標的に応答して調節可能な機能と特性を持つ新しいタイプのDNAベースのCRISPR応答性ヒドロゲル材料が提示された。これによって、組織工学や生物電子工学、バイオセンシングにおける幅広いインビトロ生物医学的応用への道が開くと思われる。生体信号によって動作する知的材料は生物医学的応用においてますます重要になっている。DNA配列を用いて作られた応答性ヒドロゲルはこれらの目的に特に適していることが示されている。しかし本論文の著者らによると、現在のDNA応答性ヒドロゲルの使用、とりわけそのプログラマビリティは限られており、これは主に設計の複雑さやDNA動作トリガーに対する感受性がないことに原因がある。Max Englishらは今回、DNA応答性ヒドロゲルのユーザーが定義した特性をプログラムし、制御する方法としてCRISPR-Casツールボックスを統合した新しいタイプのDNAヒドロゲル系を提示した。EnglishらはRNA誘導型Cas12aヌクレアーゼ酵素を用いて、ヒドロゲル内でユーザーが定義した特定のDNA領域を標的として切断し、それによって材料を動作させた。彼らはプログラム可能なCRISPR応答性知的材料の幅広い応用を解説するために、化合物の制御放出やDNAヒドロゲル内へのナノ粒子と生細胞の封入について説明し、さらに、その材料が分解性電気ヒューズや無線自動識別(RFID)シグナル伝達の可能な流体弁としても機能するように設計できることも示している。関係するPerspectiveではDa Hanらがこの研究についてさらに詳しく説明している。

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