American Association for the Advancement of Science (AAAS)
今回のPolicy ForumではPaul Arthur Berkmanらが、北極圏における国際科学協力が地政学的な紛争が起きている国々の間での利益の共有にどう役立つかを強調している。Berkmanらの記事は昨年5月の国際北極科学協力促進協定の署名と数週間にわたるモスクワでの利害関係者会議を受けたものである。この協定には北極8ヵ国の外相が署名した。なかでも米国とロシアは、ウクライナとシリアでの紛争がきっかけとなった両国の関係悪化、サイバー・セキュリティ関連の問題、軍事拡大についての様々な懸念事項はさておいての署名であった。Berkmanらは1950年代に始まり、それ以降拡大を続けている国際北極協力の歴史を読者に紹介し、最新のこの協定がもたらすと考えられる数々の利益を強調している。例を挙げると、研究者・装置・試料の移動の改善、データおよびメタデータの共有の促進、伝統的な地域固有の知識の地域外への転移などである。Berkmanらはまた、この協定の枠内で科学協力をさらに改善するための一連の方法も提示している。この協定を効果的に推進するには国境を越えた研究と教育の増進に役立つ連携ネットワークが必要であり、これは科学外交が国家の利益と全体の持続的利益のための共通の利益のバランスにどう役立つかを明示しているとBerkmanらは述べている。
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