News Release

ビスマスが超伝導性を示すことが報告された

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

インドの科学者の報告によると、純粋なビスマス(一定体積あたりの電子数が非常に少ない、つまりキャリア濃度が非常に低い半金属)は、超低温で超伝導性を示すという。この観察結果により、ビスマスは今まで知られているなかで最低のキャリア密度をもつ2つの超伝導体のうちの1つになった。低温では、鉛やアルミニウムといった金属元素の多くが、超伝導状態(こうした物質を流れる電流が、電源なしで永久に流れ続ける状態)に転移する。ビスマスの場合、1個の電子を10万個の原子が共有しているせいで、キャリア密度が非常に低いため、超伝導体になるとは考えにくい。事実、ビスマスは10ミリケルビンという超低温でも超伝導にならないことが示されていた。今回、Om Prakashらは磁化測定を行い、0.5ミリケルビンで純粋なビスマスの塊が超伝導転移を起こすことを示した。彼らは調製した純粋なビスマスの単結晶で観察を行ったと報告している。ビスマスは超伝導の標準的なケースにはぴったり当てはまらないので、著者らによると、この研究結果を完全に説明するにはさらなる理論的研究が必要だという。

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