News Release

IGZOと不揮発性メモリを三次元集積した新デバイスの開発に成功

~ディープラーニングの高効率ハードウェア化へ期待~

Peer-Reviewed Publication

Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

Circular Reasoning: Spiraling Circuits for More Efficient AI

image: Researchers from The University of Tokyo create a new integrated 3D-circuit architecture for AI applications with spiraling stacks of memory modules, which may help lead to specialized machine-learning hardware that uses much less electricity view more 

Credit: Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

東京大学 生産技術研究所の小林 正治 准教授らは、極薄の酸化物半導体IGZOを用いたトランジスタと抵抗変化型不揮発性メモリを三次元集積したデバイスの開発に成功しました。

大量のデータを用いるディープラーニングは多層のニューラルネットワークで構成されており、プロセッサとメモリの間の大量のデータ移動が性能を律速するため、メモリ配列に演算機能をもたせたインメモリコンピューティングによるハードウェア実装が期待されています。しかし、通常のメモリ配列は二次元構造であり、ネットワークのモデルが大規模になるにつれて配線長が長くなり、計算速度や消費電力が問題となります。また、同時にアクセスできるメモリ量にも制限があるため、並列計算の効率が上がりません。

本研究では、インメモリコンピューティングのハードウェア実装における二次元メモリ配列での配線の問題を解決し、かつ超並列計算を可能にするため、メモリ配列を三次元積層した三次元ニューラルネットワークの実現に向けて、通常の集積回路の配線層プロセスに適用可能な最高温度である400℃以下のプロセス温度で極薄の酸化物半導体IGZOを用いたトランジスタと抵抗変化型不揮発性メモリを形成する三次元集積デバイスを開発しました。本デバイスを用いてインメモリコンピューティングの機能を実証し、ディープラーニングの多層ニューラルネットワークを一チップ上に物理的に多層構造で実装することが可能となりました。

本成果はディープラーニングの計算を高いエネルギー効率で計算することを可能にし、クラウドだけでなくエッジデバイスでも高度な人工知能計算を行うことで、ビッグデータに基づく社会サービスの飛躍的な向上が期待されます。

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