News Release

デカントラップ:倍々マグマのトラブル

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

約6,500万年前にデカントラップ沿いで起こった大規模な噴火の原因となったマグマのプルームの数は、1つではなくおそらく2つあったことが、新しい研究によって示唆されている。この大規模噴火は、地球上で起こった最も大規模な大量絶滅の1つの原因だった可能性がある。インド中西部に位置するデカントラップは、地球上で最も広大な火山活動の痕跡を示す地形である。しかし、6,500万年前にできたこの地域のマントル構造が不明なこともあり、歴史的な大規模噴火を再現することは困難であった。この謎の解明に役立てるため、Petar GlišovićとAlessandro M. Forteは現在のマントルの三次元(3D)構造を捉えたデータを取り込み、そこから時間を逆に進めてマントルの変化を再現する時間反転型対流モデルを用いた。今回の解析で、6,500万年前は活火山であったレユニオン島がホットスポットとして特定された(レユニオン島は、当初の大規模噴火時よりははるかに小規模ではあるが、今日も火山活動を示している)。また、著者らは他にも2つの興味深いホットスポットを見つけており、そのうち1つはおそらく過去の湧昇の名残である。しかし、2つ目のホットスポットであるコモロ諸島での噴火はレユニオン島での大規模噴火と同時期に起こった可能性が高い。レユニオン島及びコモロ諸島に到達可能であった溶解したマントルの容積は、約6,800万年前に始まり、それぞれ約4,000万 km3及び3,500万km3であったが、それぞれ約2,000万年前及び4,000万年前にはほぼゼロまで減少した、と著者らは語っている。

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