News Release

気温上昇により線虫に多世代遺伝子変異が生じる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

気温変動により線虫に精子と卵子の双方を通して子孫に受け継がれる遺伝子変異が起こることが新しい研究によって判明した。この変異は最大14世代まで持続する可能性があり、環境が生物に持続的な影響を及ぼすことが強調された。飢えたり、高温にさらされたりすることで線虫カエノラブディティス・エレガンス(C. elgans)のメッセンジャーRNAの発現が変化することがあり、変化したこの発現は3世代まで続くことがこれまでの研究で示されている。Adam Klosinらは今回、1世代のC. elgansを高温(25℃)にさらしてみた結果、その子供で遺伝子def-21の発現が増加したが、続く子孫では増加しなかったことを発見した。C. elgansを5世代にわたってこの高温にさらすと、マルチコピー導入遺伝子の発現が基準値に戻るには14世代を要したとKlosinらは報告している。線虫を交雑育種することにより、これらの遺伝子変異の継承は精子と卵子の両者を経て起こることが判明した。最後にKlosinらは、遺伝子発現の変化はメチルトランスフェラーゼSET-25が高温によって減少したことによるもので、それが次にトリメチル化ヒストンh3の減少と抑制状態のクロマチンの減少をもたらすことを発見した。クロマチンのこの脱抑制状態により遺伝子は高温にさらされたという一種の遺伝子記憶として多くの世代にわたって活動状態になる。

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