News Release

種子散布の「危機」が欧州における植物種の将来に影響を及ぼす可能性がある

Summary author: Becky Ham

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

欧州は現在、種子散布を行う動物における絶滅の脅威と個体群の変化のために、種子散布の「危機」に直面していると、Sara Beatriz Mendesらは新たな研究で述べている。著者らは、種子散布における動物と植物の組み合わせに関する文献レビューを行うことで、欧州全体における種子散布ネットワークを初めて再構築した。動物による種子散布は、正常な生態系が維持されるために、特に現在欧州で見られるような断片化された環境において不可欠の役割を果たしている。個体群を互いに結び付けるための種子散布が失われると、減少しつつある植物の個体群の回復が妨げられることになる。著者らは、その地域における動物種の消失は、この重要なプロセスに影響を及ぼす可能性があるが、種子散布を行う動物と植物のこうした組み合わせが、動物種の消失によってどのようにして障害されるのかについては、ほとんど知られていないと考えた。Beatriz Mendesらは、動物と植物のこうした重要な組み合わせの3分の1は、大きく懸念されるものであること、すなわちIUCNレッド・リストにおいて準絶滅危惧種、絶滅危惧種または個体数減少種に挙げられていることを発見した。その上、植物種の30%では、その種子散布動物のほとんどが大きく懸念される動物であることが分かった。動物種はそれぞれ、平均して13の植物種の種子を散布している一方で、植物種はそれぞれ、種子を散布してくれる動物が平均して9種であった。著者らは、種子散布の関係にある動植物に関するデータに重要な欠落があることは認めている一方で、自分たちの所見は、懸念の高い種子散布の関係を保存するための保護の取り組みのために有用となり得ることを示唆している。


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