ヒトの呼気は、健康に関するさまざまな見識を明らかにできる情報を提供するが、これまで分析が困難であった。今や、新しい「スマートマスク」によって、ヒトの呼気をリアルタイムで非侵襲的にモニタリングできる。EBCareと名付けられたこのマスクは、呼気凝縮液(EBC)を捉えて分析するものであり、手頃な価格で継続的なEBC分析を実現する有望なソリューションとなる。「EBCareの重要性は、さまざまな医療分野における多用途で便利で効率的なリアルタイムの研究プラットフォームおよびソリューションとしての役割にあり、このような未来の進歩的な臨床研究や医学研究のための強力で効果的なツールとなる」と著者らは述べている。最近のCOVID-19などの呼吸器疾患の流行により、呼吸器疾患を追跡するためのより包括的な方法の必要性が浮き彫りになっている。われわれの息には、ガス、エアロゾル、液滴として吐き出される、揮発性有機化合物や無機物からサイトカインや病原体に至る無数の分子マーカーが含まれている。これらの呼気バイオマーカーをリアルタイムで分析すれば、さまざまな呼吸器系・代謝系の健康状態の診断、監視、管理が大幅に改善される可能性があるが、現時点のEBC研究ツールは著しく不足している。今回、Wenzheng Hengらが、EBCの継続的かつ非侵襲的な分析用に設計された、ウェアラブルで機械的に柔軟なマイクロ流体スマートマスクシステムを紹介した。呼気の蒸気を凝縮するために外部冷却を必要とする従来の大型デバイスとは異なり、EBCareは、ハイドロゲル蒸発冷却、メタマテリアル放射冷却、および高熱伝導率を用いたデバイスフレームワークを統合したタンデムパッシブ冷却技術を使用している。EBCareシステムでは、植物の毛細管現象を模倣した生物にヒントを得たマイクロ流体設計により継続的なモニタリングを可能にしており、親水性の内面を使用してEBCをセンシングリザーバーに導く。その後、EBCはデバイスの外表面に移動し、ハイドロゲルの蒸発冷却をサポートするための継続的な水源として機能する。著者らは、このマスクによって呼気中のバイオマーカーを高精度でモニタリングできることを実証し、そのデータをBluetooth経由でモバイルアプリにワイヤレス送信した。Hengらは健常者、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または喘息と診断された患者、およびCOVID-19感染後の患者を対象とした複数のパイロット試験でこれをテストしている。
Journal
Science
Article Title
A smart mask for exhaled breath condensate harvesting and analysis
Article Publication Date
30-Aug-2024