東京大学 生産技術研究所の岡部 徹 教授、上村 源 助教(研究当時、現:米国マサチューセッツ工科大学 博士研究員)、池田 貴 特任研究員、大内 隆成 講師らは、希土類金属とそのフッ化物を用いて、溶融したチタンから効果的に酸素を除去する新しい技術を開発しました。この希土類金属とフッ化物をはじめとするハロゲン化物を用いた脱酸技術では、希土類金属の酸ハロゲン化物(オキシハライド)が生成する反応を利用します。これまで報告された脱酸技術に比べ、本技術による酸素の除去限界は著しく低く、高い温度で溶融した反応性の高いチタンからも0.02質量% (200 mass ppm O) の低濃度まで酸素を除去できます。本技術を応用すれば、チタンの酸化物原料から酸素濃度の低いチタンを直接製造できる新しいプロセスが実現できます。また、酸素濃度の高いチタンのスクラップから、酸素濃度の低いチタンを製造するアップグレード(高純度化)・リサイクルが可能となります。これらの結果、チタンの製造コストが大幅に低減し、チタンの普及拡大に繋がることが期待されます。
Journal
Nature Communications
Article Title
Direct Production of Low-Oxygen-Concentration Titanium from Molten Titanium
Article Publication Date
12-Jun-2024