飼い犬は人の健康の指標になるが、犬のデータがもっと必要

PerspectiveではCourtney SextonとAudrey Rupleが、ペット、とりわけ犬が、人と生活環境を密接に共有していることから人の健康の監視役という明確な位置づけをどのように得たかを論じている。加えて、犬の環境にまつわるデータのより良い収集システムが非常に重要だと述べている。人はペットと生活環境を密接に共有しているため、呼吸器疾患、癌、認知機能障害など、健康リスクが似ている。約30,000年も人と共生している犬は、人の健康の監視役として特に適しているのである。寿命が犬の方が短いため、人の場合より早く環境暴露の影響を観察することができる。そして、犬の健康を決める社会経済的要因 ―― 交流関係、社会的支援、ケアを受ける機会、世帯収入など ―― は人のそれと非常に似ている。SextonとRupleは今回、犬におけるそういったデータを監視する方法の一部が人の健康を評価する際の有用な手段だと強調している。しかし、この方法の妥当性を指示する研究は増えてはいるものの、犬が環境が人の経験に与える影響の好例になり得ることを捉えるシステムが必要である。現在の獣医研究の実践には、研究対象である犬の基本的な個体群統計学データしか含まれていない。SextonとRupleは、このデータを詳細な飼い主の人口統計学データを組み合わせて、ジオコード化された環境データとリンクさせることで、理解が進むだろうと述べている。「獣医学は現在、健康リスクと健康転帰の長期的な調査を支援するため、電子健康記録の収集と準備を標準化する共通データモデルを広く採用する方向にある」とSextonとRupleは書いている。「これらのモデルに犬の飼い主の人口統計学的変数を組み込むことは、人とその監視役であるペット自身の双方に利益をもたらすべく、種間の相違を埋めるワンヘルスの研究インフラを開発するには絶対不可欠だ。」